【本記事はPDFでもご覧いただけます】
流通とリフォームの連携が注目を集めている。その先駆けとして09年秋に始まった「リニュアル仲介」は、各業者とネットワークを組み、インスペクションや耐震診断(一戸建てのみ)、フラット35Sによる融資、各種保証などもセットで提供する仕組み。建物の安全性を確保し、資産価値が目減りしない住宅を流通させるのが狙いだ。この4月からは一般ユーザー向けのセミナーも開始し、認知度を高めている。ネットワーク本部のエイム代表・西生建氏に近況を聞いた。
−現在の加盟会社数は。
「約230社。仲介会社が180社で、インスペクションやリフォーム、各種保証業務を担う施工業者が50社という内訳だ。主に仲介会社の加盟を募っており、3カ月に1回のペースで説明会を開いている」
−加盟のメリットは。
「『協力金制度』の評判がいい。リフォーム代金の最大10%を本部から支払うものだ。リフォーム代金は地域間で大きな差がないため、特に地方の仲介会社にとっては仲介手数料を上回る収入源になり得る」
−4月から3カ月連続で、一般ユーザーを対象とするセミナーを開催しました。
「いずれも定員に達し、30代の参加者が圧倒的に多かった。既に40組ほどが物件探しを始めている。平均予算は4000万〜5000万円、つまり新築を買える層が積極的に中古を検討している」
「購入希望者は多いが、実際に引き渡しを終えた件数は伸びてない。と言うのも、物件探しを経て融資が実行されるまでに最低5カ月はかかるためだ。また、買主の費用負担を減らすためリフォーム後に売却する形を取るが、売主が居住中の場合は難色を示されることも。ただこのケースについては現在、購入後6カ月以内のリフォーム代金と物件購入代金のローンを一本化できるよう国に働きかけており、要請が認められ次第、解消するとみている」
−新築ではなく、あえて中古を選択する理由は何でしょうか。
「中古住宅の最大の魅力は、価格が落ちにくい点にある。一版に新築は購入後15年ほどで資産価値が急落するが、それ以降の15年ではほぼ変わらない。同じ金額で買うなら、それ以上価値が目減りしない住宅を選ぶのは自然の流れだ」
「だが、安全性が担保されておらず敬遠されていた側面があった。そこでリニュアル仲介では、リフォーム時に耐震補強・劣化改善を必ず提案し、全物件に購入後2年間の瑕疵(かし)保証を付けている。耐震補強後は『耐震基準適合証明書』が発行され、各種税制の優遇を受けることが可能だ。安全性に加えて好みの内装に仕上げられるという意味では、新築以上の価値を実現できる」
−築年数を経た住宅でも、リニュアル仲介の対象になるのか。
「築40年を超える場合は建て替えを勧めるが、それ以前なら大方の物件で問題はない」
「日本の住宅の耐用年数が短いのは、定期的にメンテナンスする習慣が根付いていないから。マンションと同様に、施主に対し修繕計画を提案する必要がある」
−『既存住宅市場等活性化事業』に加盟会社が選ばれました。
「リフォーム業者と仲介会社との共同申請を含めると、約120社が採択された。『国の事業』というお墨付きは強力なPRになるので、積極的に活用したい。事例を増やし、加盟店の募集にも引き続き力を入れていく」