【防災コラム④】停電時にパニックにならないために:新築時に考えておくべき「非常用電源」の動線設計

防災コラム 第4回/全12回
停電時にパニックにならないために:新築時に考えておくべき「非常用電源」の動線設計
台風や地震などの災害時、最も生活への影響が早く現れるインフラが「停電」です。2019年の房総半島台風(台風15号)では、千葉県内で最大約93万戸が停電し、一部地域では復旧までに2週間近くを要しました。こうした大規模・長期化する停電は、決して他人事ではありません。
近年は太陽光発電や蓄電池、V2H(電気自動車からの給電システム)を導入される施主様が増えていますが、機器を設置するだけでは、実際の災害時に「使いこなせない」という問題が起こりがちです。
■ 「停電が起きた瞬間」の生活をシミュレーションしていますか?
停電時において、住まい手に重いストレスを与えるのは「暗闇」と「情報遮断」、そして「冷蔵庫の停止」です。非常用電源の設計をする際、単に「家全体の電気をどれくらい賄えるか」だけでなく、以下のような「災害時の行動動線に合わせたコンセント設計」が配慮されているかがポイントになります。
1. 特定負荷コンセントの位置確認
全負荷型ではなく特定負荷型の蓄電池の場合、停電時に「どの部屋のどのコンセントが使えるか」(リビングの照明、冷蔵庫、スマホ充電用コンセントなど)を、施主様が正確に把握しておく必要があります。
2. 夜間の足元灯(フットライト)の確保
突然の停電でも安全に移動できるよう、停電時に自動点灯し、取り外して懐中電灯としても使える「足元灯(フットライト)」を、廊下や階段付近に配置しておくことが望まれます。
3. 手動切り替え操作の簡便さ
蓄電池やV2Hシステムへの切り替えスイッチは、暗闇でも迷わず操作できる場所に設置しておく必要があります。
4. 定期的な動作確認(訓練)の実施
せっかく非常用電源を導入しても、実際に停電が起きるまで一度も切り替え操作を試したことがないケースは少なくありません。年に1〜2回、実際にブレーカーを落として動作確認を行う「停電訓練」を習慣にしておくことで、いざという時に慌てず対応できます。
「万が一の停電の夜、ご家族がどのように過ごすか」まで踏み込んで照明やコンセントの計画を立てる。こうした細やかな配慮が、防災配慮型の住宅づくりには欠かせません。
次回:防災コラム 第5回へ続く


