【防災コラム⑤】家具の転倒防止金具、どこに効かせる?工務店が知っておくべき「下地と壁の防災」

防災コラム 第5回/全12回
家具の転倒防止金具、どこに効かせる?工務店が知っておくべき「下地と壁の防災」
巨大地震が発生した際、室内での負傷や逃げ遅れの最大の原因となるのが「家具の転倒」です(第1回でもご紹介した通り、阪神・淡路大震災の負傷原因で最も多かったのも、まさにこの「家具の転倒」でした)。
市販のL字金具や突っ張り棒を使って施主様自身で対策されるケースも多いですが、実は「間違った取り付け方」によって、地震の揺れに耐えきれず金具ごと壁が崩れ落ちてしまう例が後を絶ちません。
■ 石膏ボードには金具が効かない
多くの住宅の室内壁は、石膏ボードにクロスを貼った仕上げになっています。施主様がホームセンターで購入したL字金具を石膏ボード部分に直接ビス留めしても、地震の強烈な引っ張り荷重がかかると、ビスが石膏ごと簡単に抜け落ちてしまいます。
家具の転倒を確実に防ぐためには、壁の裏にある「間柱」や、家具の設置を見越してあらかじめ入れた「補強下地」にしっかりとビスを効かせる必要があります。
■ 設計・施工段階でできる「下地補強」の防災提案
新築やリフォームの段階で、以下のような提案をしておくだけで、引き渡し後の暮らしの安全度は劇的に高まります。
1. 「将来の大型家具・家電置き場」への下地補強
食器棚、壁掛けテレビ、大型本棚などを配置する予定の壁面には、あらかじめ構造用合板などの下地を入れておきます。
2. 造り付け家具(造作家具)の推奨
壁や構造体に直接固定される造作家具やシステム収納をご提案し、地震で転倒しうる「置き家具」そのものを減らす設計にします。
3. 既存住宅の場合は「下地探し器」で柱・間柱の位置を確認
すでに完成している住宅で後から家具を固定する場合は、市販の下地探し器(下地センサー)を使うことで、壁の中の間柱位置を手軽に確認できます。アフター点検などの機会に、お客様へこうした道具の存在をご案内するのも一つの手です。
アフター点検などの際、「家具の固定金具は、ここの下地が入っている場所に打ってくださいね」と一言プロのアドバイスを添えるだけでも、施主様からの信頼は非常に高まります。
次回:防災コラム 第6回へ続く


