地震保険だけで足りる?「地震建替え保証Glad」との違いと併用のメリット

1. おさらい:地震保険だけでは補いきれない「再建費用の不足分」
前回のコラムでご紹介したとおり、地震保険は生活再建の第一歩を支える重要な制度ですが、地震保険金額は火災保険金額の30〜50%の範囲でしか設定できず、建物が全損しても受け取れる保険金は建物評価額の最大50%程度にとどまります。つまり、大地震で自宅が全壊してしまった場合、建替え費用の半分以上は自己資金や新たな住宅ローンでまかなう必要が生じるケースが多いのです。この不足を埋める選択肢として近年注目されているのが、「地震建替え保証」と呼ばれるサービスです。
2. その不足を埋める「地震建替え保証Glad」とは
「Glad(グラッド)」は、エイム株式会社が2022年より提供している地震建替え保証サービスです。工務店・ビルダー様がGladを契約し、引き渡した新築住宅が地震で倒壊してしまった場合に、その建替え費用を保証する仕組みになっています。地震保険が「保険会社と個人(契約者)」の契約であるのに対し、Gladは「保証提供元と工務店・ビルダー様」の契約である点が大きな違いです。工務店様にとっては、自社で家を建てたお客様に対して、地震保険では届かない部分の安心をプラスで提供できるサービスといえます。
3. Gladの補償内容と対象条件
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象住宅 | 耐震等級3(及び等級3相当※)の新築戸建住宅 |
| 対象となる地震 | 計測震度6.8以下の地震(東日本大震災の6.6、熊本地震の6.7、新潟県中越地震の6.5など、これまで発生した震度7クラスの巨大地震はすべて対象範囲に含まれます) |
| 保証内容 | 地震の揺れによる全壊(主要構造部の損害額が建物時価の50%以上)・大規模半壊(40〜50%未満)・半壊(20〜40%未満)のいずれかに該当した場合の、建替えまたは補修費用を保証 |
| 被害判定方法 | 市町村が判定・発行する「罹災証明書」による |
| 保証限度額 | 1回の地震につき、保証対象物件の請負金額(建物本体)の100%まで |
| 総保証限度額 | 日本全国で発生した全保証物件の損壊に対する総額で10億円まで(超過時は所定の算式で按分) |
| 保証期間 | 引き渡しから10年間 |
特に注目したいのが、対象となる地震の範囲です。「計測震度6.8以下」と聞くと震度7クラスは対象外のように感じられますが、実際には熊本地震(計測震度6.7)や東日本大震災(同6.6)など、これまで発生した震度7クラスの巨大地震はすべて計測震度6.8以下として記録されており、実質的にほぼすべての巨大地震がGladの保証対象に含まれることになります。
※耐震等級3相当とは、品確法の仕様規定である「壁量計算」「壁の配置(4分割法・偏心率)」「床倍率計算」「接合部のチェック」「基礎のチェック」「横架材のチェック」の6項目すべてをクリアした住宅を指します。
4. 地震保険とGlad、併用するとどう変わる?
地震保険とGladは、どちらか一方を選ぶものではなく、「金銭的な備え」と「工事による現物保証」という異なる性質の制度を併用することで、はじめて再建費用の不足分を実質的に埋められるサービスです。
| 地震保険 | Glad | |
|---|---|---|
| 契約の主体 | 保険会社と契約者(施主) | エイムと工務店・ビルダー様(業務委託契約) |
| 受け取れるもの | 保険金(金銭) | 建替え・修理工事(役務の無償提供、金銭の支払いではありません) |
| 補償の上限 | 建物評価額の最大50%程度 | 請負金額(建物本体)の100%(1回の地震あたり) |
| 対象住宅 | 耐震性能を問わず加入可能 | 耐震等級3(相当)の新築住宅が対象 |
地震建替え保証Gladと地震保険は併用が可能で、それぞれの補償・保証を両方受け取ることができます。ただしGladは「保険」ではなく、建替え・修理工事そのものを無償で提供する「役務提供型」の保証である点は、地震保険とは性質が異なる部分としてあらかじめ押さえておきたいポイントです。
5. 工務店様にとってのメリット:他社との差別化ポイントに
Gladは施主様の安心につながるだけでなく、工務店・ビルダー様にとっても営業面での強みになるサービスです。「地震で家が倒壊しても、建替えが保証される」という具体的な安心を提示できることは、家づくりを提案する際の説得力のある裏付けになります。地震保険だけでは説明しきれない「もしも」への備えを、自社の標準仕様として打ち出すことで、他社との差別化にもつながります。
6. まとめ:地震保険は「土台」、Gladは「安心の上乗せ」
地震保険は、地震大国日本に暮らすうえで欠かせない基本的な備えですが、単独では建物の再建費用を十分にカバーしきれないという限界があります。地震建替え保証「Glad」は、罹災証明書に基づき全壊・大規模半壊・半壊と判定された場合に、請負金額の100%を上限に建替え・修理工事を無償で提供することで、その不足分を補う制度です。ただし、半壊未満(一部損壊)や計測震度6.8を超える地震、門・塀・車庫等の付属建物の損壊などは保証の対象外となるため、導入の際は保証範囲を正しく理解しておくことが大切です。施主様には「もしも」への備えとして、工務店様には家づくりの提案力を高める材料として、ぜひGladの導入をご検討ください。
7. Gladに関する「よくある質問(FAQ)」
Q. Gladは施主が個人で契約できますか?
A. いいえ、Gladは工務店・ビルダー様がエイム株式会社と業務委託契約を結ぶことで導入する制度です。施主様が個別に申し込むものではなく、Gladを導入している工務店様で新築住宅を建てることで、保証の対象となります。
Q. 実際に被害にあった場合、どのような流れで保証を受けられますか?
A. まず保証書をご確認のうえ販売会社(工務店様)へご連絡いただき、市町村から発行される罹災証明書を郵送します。その後、罹災状況の確認を経て、建替え・修理工事が無償で提供され、お客様のご負担なしで新たな暮らしをスタートできます。
関連情報:地震建替え保証「Glad」の詳細はこちら
耐震等級3の住宅にもう一段の安心をプラスする「地震建替え保証Glad」。補償内容や導入方法について、詳しくは製品ページをご覧ください。
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